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まだまだ続く、戦時下国策遂行コピー

Photo_46  メドウセージ。藍色が美しい、観賞用のハーブです。

 さて、先日から伝える情報局発行の『写真週報』に掲載されたものが、戦時下日本の報道写真 梅本忠男写真集(全230点)に残っています。

 戦時中の生活については話しには聞いているものの、映像のなせる技か、ひとつひとつの写真を見ていくと、やはり驚きを禁じ得ません。中には哀れさえ感じるものまであります。当の本人たちは真剣だったのでしょうが。

 竹槍模範演技を笑ってはいけません。まさに、かつてのこの国の現実だったのですから。兵士の葬儀の写真には、思わず息をのんでしまいました。そしてかくも盛大な兵士の遺骨の出迎えをみると、戦没者の過半数が戦闘行動による死者、いわゆる名誉の戦死ではなく、餓死であったという事実を思い出して、もっと複雑な気持ちになります。

 では、1943年6月16日号の『写真週報』の「時の立て札」より。

 Sbshi12 その前の月、北太平洋、アリューシャン列島の西端部、ニア諸島の火山島アッツで、2,500名の日本軍守備隊が全滅したばかりでした。

  戦局はいよいよ苛烈である
   ガダルカナル アッツ
  敵反攻の鋭鋒いづこを狙ふとも
  我に不動の戦略態勢あり
   ガダルカナル アッツ
  玉砕せる殉国の雄魂に報ひんと
  悲憤心魂に徹し
  我ら一億今戦線にあり

 ヨーロッパ戦線では、9月にはイタリアが無条件降伏して、枢軸国の一角が崩れ、国内では女子勤労動員の強化と学徒出陣が実施され、「一億総戦闘配置につけ!」の叫びが聞こえてきます。

  塹壕に絹夜具を持ち込み
  飯盒に刺身を盛り
  長袖をひらめかせて
  突撃できようか
  戦局はまさに捷愴苛烈
  国内もまた 戦場
  虚飾を抛って決戦に
  一億総蹶起の時は今
  野戦の心もて貫かん
  我らが衣・食・住
      (7月7日号)

  防空必勝の誓い
  一、私達は「御国を守る戦士」です命を投げ出して持ち場を守ります
  一、私達は必勝の信念を持って最後まで戦ひ抜きます
  一、私達は準備を完全にし自信のつくまで訓練を積みます
  一、私達は命令に服従し勝手な行動を慎みます
  一、私達は互いに扶け合ひ力を協せて防空に当たります
                             (8月4日号)

 贅沢は敵だ、お嫁に行くときゃもんぺ姿、という言葉はいつ頃からいわれたものでしょうか。絹の夜具だ、刺身だ等、とうの昔におとぎ話になっていたでしょうに、何を今更。でも、当時の人たちは、真面目に本気で防空必勝の誓いをしたのでしょうね。

 なお、梅本忠男写真集の中に、「遠山満を訪ねた幼年学校生徒」とあるのは「頭山満」の間違いだと思います。

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「歴史」カテゴリの記事

コメント

トラバさせて頂きました。
この度、戦争体験継承ブログを開設しました。
戦争体験の情報センターをめざしています。
以前書かれた内容から、こちらに転載させて頂けると助かります。
いかがでしょうか。

固定リンクもお願いしたいのですが。

投稿: G2 | 2006年8月19日 (土) 02時08分

G2さん、はじめまして。
良い試みを始められましたね。お父様が戦争に行かれたようですから、私と同じ世代の方でしょうか。協力させていただきます。

投稿: とむ丸 | 2006年8月19日 (土) 09時57分

さっそくのお返事、ありがとうございます。
以前、「父は軍隊に行った」という記事がありましたね。
あれを「とむ丸さんのブログより」という断り書きをつけて、
こちらに転載させて頂きたいのですが、いかがでしょう。

投稿: G2 | 2006年8月19日 (土) 12時38分

 ご連絡ありがとうございます。「父は軍隊にいた」という記事ですね。
 ただこれについては近い将来、加筆修正したいと考えておりましたので、ちょっと待っていただけますか。
 また、ヒロポンについては、別な情報も見つけましたし。

投稿: とむ丸 | 2006年8月19日 (土) 14時02分

ガダルカナル島というと,昔,小田実さんが『ガ島』(講談社文庫)という分厚い本を出していましたね。小田さんも白髪が増えて,杖にすがる老人になってしまいました。私たちが学生の頃の四半世紀前には,「小田実なんて読んでると危ないぞ」なんて言われてましたから,私は完全なサヨクなのかも知れませんね。

アッツ島からカムチャトカ半島を占領しようとでも思っていたのでしょうか……。ちなみに,サハリンは日本軍が建設した国鉄仕様の鉄道が敷かれています。北海道で不要になったディーゼルカーがよく輸出されています。今では油田も見つかり,本土と結ばれた石油ガスパイプラインも完成したとか。クリル列島で漁業に携わっていたアイヌ系ロシア人もサハリンへ移住しだしているそうです。(アッツ島で原住民のネネツ人やギリヤーク人らが日本人にどのような目に遭わされたかも気になります)

投稿: kaetzchen | 2006年8月19日 (土) 18時23分

 小田実さんが杖?! あまり想像したくない光景だけれど。
 侵略戦争というのは腐敗する、といわれますね。おまけに侵略戦争も、いろいろ口実をつけてすり替えて、自衛戦争という大義を掲げて遂行されるんですよね。

投稿: とむ丸 | 2006年8月20日 (日) 09時38分

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