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故石井紘基さんの残したもの

_222  おいしそうでしょう?!
 梅の酵母でこねたパン種に大納言小豆の餡を詰めたあんパンです。上にのっているのはご近所でいただいた八重桜の花を塩漬けにしたもの。

 問題は、パンと一緒に焼いてしまった桜の花の塩漬けです。塩味が餡の甘みとマッチして、それはそれでいいのですが、香りもなくなってしまったし、見た目も悪い。次はこれを解決したいと思っていますが、今のところ妙案がありません。

 おいしい! といえば、このあんパンとは比べようもないほどの美味しい利権が政界にはごろごろしているらしい。

 前回のエントリーのコメントで、luxemburgさんが財投債に関して、「このもんだいは石井こうきさんがずっと警告していたのに、暗殺されたと言うことは本当においしい利権なのでしょうね」と書かれていました。

 そういえば、そんな話しがありましたね。

 試しに検索してみると、2002年11月の『週刊朝日』の記事が目に留まります。

 1部引用してみます。

「“爆弾発言”で政財界を震撼させた男、民主党の石井紘基代議士。オウムや統一教会、暴力団、ムネオ……アブない相手に真っ向から立ち向かった急先鋒が、テロの刃に倒れた

「石井氏と親しくしていた紀藤正樹弁護士も、悔しそうにこう話した。

『石井さんは一般市民の目でずっと政治を続けてきた稀有な政治家。彼は国会で質問することが国会議員の使命だと考えていた。彼に追求されて困る人は世の中にたくさんいる。利権に巣くっている人たちにとってみれば、彼がいなくなったことは大きなメリットです。
彼の死で日本の構造改革は遅れてしまうかもしれません』」
                          (引用終わり)

 なんだか、一市民の私には訳の分からないことが多すぎます。

 今でも石井紘基さんのHPが残っていて、「日本が自滅する日」と題して「構造改革のための25のプログラム」が載っています。以下に引用してみます。 

【官企業の全廃がもたらす経済の覚醒】

プログラム一

既得権益と闘う国民政権をつくる

プログラム二

すべての特殊法人廃止を急ぐ

プログラム三

高速道の建設を凍結する

プログラム四

本道路公団の借金は20年で償却する

プログラム五

公団のファミリー企業から資産を回収する

プログラム六

都市基盤整備公団などは、民営化でなく解体する

プログラム七

住宅ローン証券化で公庫を保証機関にする

プログラム八

政府系の公益法人と認可法人を即時廃止する

プログラム九

地方公社と第三セクターを清算・整理する

プログラム十

真の公益法人を支える税制をつくる

プログラム十一

200万人が失職するが600万人の職が生まれる

 

【権力の市場からの退却】

プログラム十二

特別会計、財投、補助金を原則廃止する

プログラム十三

「開発」「整備」「事業」法を撤廃する

プログラム十四

公共事業長期計画を廃止する

プログラム十五

新しい民間の公共事業勃興策を打ち出す

プログラム十六

゛政治農業"をやめ、産む農業をとりもどす

プログラム十七

 徹底した地方分権を断行する

  国家予算の半減】

プログラム十八

5年で予算規模を二分の一に縮小する

プログラム十九

国債の新規発行をゼロにする

プログラム二〇

中高年100万人のボランタリー公務員制度」をつくる

プログラム二一

20兆円を社会保障10兆円を環境保全に追加する

プログラム二二

 大規模減税を実現する

【品格ある「公務」の復活】

プログラム二三

「公務分限法」を制定する

プログラム二四

行政監視を徹底し、会計検査院を強化する

プログラム二五

天下り禁止法を急いで定める

  以上です。

 政治そのものも政治家も矮小化されて、改革の名の下に利権漁りが進行し、政治不信の怒りが渦巻きながらも一向に改善されない、そんな「改革」。

 石井紘基さんが残したこの25のプログラムが、まぶしく思えます。

 

構造改革のための25のプログラム

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政治」カテゴリの記事

コメント

石井紘基さん,今となっては忘れられた感もある政治家ですね。彼のように身を削って国の構造を変えようという政治家は本当に少なくなりました。

コイズミ氏の言う「民営化」だって,本音は「官僚の叛乱を防止する」「組合を解体させて労働者をばらばらにする」のが目的でしょ?

石橋政嗣さんの『非武装中立論』を探してたら,偶然,小中陽太郎編『討論・青年にとって労働とは何か』(三一新書)が出てきました。活字が小さいのでざっと目を通しただけでしたけど(視覚障害者&老眼の悲しさ),ロッキード汚職に始まり,総選挙での自民党の大敗を受けて,いよいよ労組が一丸となって社会党や共産党をまとめようとしていた時期(78年)に出版された本で,当時の団塊の世代の労働者との座談会です。この人たちは今まで,どういう思いで家庭を作り,子育てをし,退職後どのような生活をしているんだろうと,ふと考え込んでしまいました。

そういう普通の労働者の生活を良くすることが,石井紘基さんの願いだったんですよね。その彼を凶刃によって亡き者としたコイズミ政権は本当に憎いです。しかし,現在はばらばらにされた若年労働者は無知なままに置かれ,論理的な思考ができなくなり,自らのみじめな境遇の原因が政治のせいだと考えられなくなっています。ここまで彼らを洗脳させた目的は……空恐ろしくなってしまいます。

投稿: kaetzchen | 2006年7月15日 (土) 17時21分

小泉さんは「改革」ということばをまねし、「殺されてもいい」なんておっしゃいましたが、中身はまったく違いますね。

投稿: ヘリオトロープの小部屋 | 2006年7月15日 (土) 17時42分

うーん・・・・・この25のプログラムを今眺めてみると、本来の「構造改革」と小泉政権の為したことって落差を感じますね。表面的には改革が進んだように見えても、その実官僚機構や政治力の強い業界の既得権益は温存されたままで、しかも利権のインナーサークルに新規参入している面々もいるから何も解決していない。

投稿: 杉山真大 | 2006年7月15日 (土) 21時57分

こんばんわ。お返事遅くなって申し訳ありません。

kaetzchenさん、
当時、さしたる興味もなかった私ですが、今、こうしてみると、本当に惜しい人を失ってしまった、という思いを禁じ得ません。

ヘリオトロープさん、
ヤンキー総理のタンカは、単なる喧嘩用のタンカに過ぎなかったのでしょうね。

杉山真大さん、
みえみえ、ばればれだったのに、いろんな追い風を演出して、構造改革もすりかえられてしまったのでしょうか。

投稿: とむ丸 | 2006年7月17日 (月) 00時48分

ひまを持て余している青年ブロガーと違って,私たちには「生活」がありますから,ブログは二の次・三の次ですよ(笑)

# 昔,24時間ルールだの 48時間ルールだのと,たわけた事を抜かす閑人がいましたけど,論外ですね。

石井紘基さんが亡くなったあと,松下政経塾出身の若手右派議員が次々と不祥事を起こしましたけど,これも何だかリンクしているような気がしてなりません。こんなことを言うと kaetzchen の陰謀論がまた始まった,なんて悪口を言う人が必ずいるんですが(笑)

ヤンキー総理のタンカって,もともと彼の祖父は横須賀の沖仲仕と言って,海軍や貨物船の貨物の荷下ろしをする任侠集団のカシラでして,三浦半島の有権者をカネで買収して議員になった男です。つまり,三世議員どころか三世ヤクザなんですよ(笑)

投稿: kaetzchen | 2006年7月17日 (月) 10時39分

「ヤンキー」には、アメリカかぶれを揶揄する気持ちも込めたんですよ。

投稿: とむ丸 | 2006年7月18日 (火) 16時21分

私は「暴走族」の「ヤンキー」も入ってるのかな,と(笑)

それはさておき,石橋さんの『非武装中立論』,やっと出てきました。ただ,83年12月の15刷ですので,もしかするとこの直後,増補版の16刷が出ていた可能性もあります。2冊あるはずなので,もう一つが増補版かも。

とりあえず,83年12月15刷で近日中に書評でも書きましょうかねぇ。

投稿: kaetzchen | 2006年7月18日 (火) 16時36分

 もちろん、何かと行動が暴走する意味もあります。今度のサミットもひどかったようで、世界中に恥をさらしてくれたみたい……でも、17日に書いたピアニストの話では、フランスの新聞には首相のことが載るのはほとんどないらしい。
 これを喜んでいいのか、悲しんでいいのか。

投稿: とむ丸 | 2006年7月18日 (火) 22時44分

フランスやドイツやロシアや韓国は大統領制を取ってますので,首相はあくまで官僚のトップ,つまり官房長官という役割になります。中国も「主席」が「大統領」と同じ振る舞いをしてますから,やはりヨーロッパを規範とした行政機構が作られているんだなぁと分かります。

ドイツの場合,Bundespraesident は元貴族の由緒ある家柄の方がなる場合が多いですね。手許には Die Rede, Bundesrepublikspraesident Richard von Weizsaecker (CDU) am 8. Mai 1985 von dem Deutschen Bundestag. と書かれたカセットテープが残っています。岩波ブックレットに和訳が掲載された,有名なヴァイツゼッカー大統領の演説です。学生時代に友人同士でダビングしあったのを今でも覚えています。

投稿: kaetzchen | 2006年7月19日 (水) 16時30分

 忙しくて、すっかり返事が遅れましたが、私が言った「首相」とは小泉氏のこと。彼のことはほとんどフランスでは話題にならない、という話でした。
 あまり詳しく聞かなかったけれど、この間の訪米のこととか、サミットのこととかも話題に上らなかったのかな? もう少し訊いておくのだった。

投稿: とむ丸 | 2006年7月21日 (金) 00時28分

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