ムル君ととむ丸のお勉強
そんなに寝てばかりいないで、少しは勉強したら、といわれたとむ丸ですが、本を読み始めると睡魔に襲われます。
ムル君は、舟をこぐとむ丸を尻目に、遠いところをよく来たねと、腹身を貰ってご満悦。
← ムル君
昨日の新聞を読み始めます。
ムニュムニュ。ふむふむ。
城山三郎さんが出ていました。終戦時は、海軍の特別幹部練習生だったという城山さんは、「滅びるべくして滅んだ帝国海軍」と言い切ります。
「海軍では士官は父親、下士官は母親でしたが、朝から晩まで殴られっ放し。そんな親はいませんよ。我々の食べ物は芋の葉だけだが、士官食堂では天ぷらを食べている。とにかくひどかった。戦争の「大義」は自分の中から消え去りました。」
はあ、意味なく殴って理不尽さを体で覚えさせ、理不尽の最たるもの、人殺しをできる人間を育てるのが軍隊かと思っていたら、それだけではないんだ。
とりあえずさんとこでも言ってたなあ。
「兵隊の半分が飢え死にした戦争、前線の兵士は毎日草の根の汁を吸ってやっと生き延びている一方で軍の上層部は毎晩芸者遊びで当時の旅芸人(のち有名な俳優になる人だが)は「この国の軍隊は世界一嫌らしい集団だ」といっていたそうだ。」って。
ああ、恥ずかしいなあ、朝刊の第1面のど真ん中に、歓迎式典で米兵を閲兵している首相。
「いくつになっても、男って戦争ごっこが好きね」と、いつの間にか目を覚ましたとむ丸。
「ブッシュと小泉、この2人にとっては戦争ごっこでも、前線の兵士にとってはそれどころじゃない、戦争そのものだ」と、ムル君。
とむ丸:蹂躙されたイラクの人たちにとってもね。
ムル君: それでね、経済諮問会議での首相の発言知ってるかい?
とむ丸:もちろん、国民の常識よ。かまうもんか、民(たみ)は兵糧攻めにしろ、じゃなくって、音を上げるまで、どんどん経費削減だ。自己責任だ。泣きついてきたら、増税と引き換えに許してやれ、とかなんとかかんとか。
ムル君:ベルリン陥落前のヒトラーが、俺を選んだ国民が悪い、といったのと同じだろ。
とむ丸:ふむふむ、にゃあにゃあ。
ムル君: そこで、自民党歳出改革プロジェクトチーム、というのが出てくるんだ。
とむ丸:また「改革」!
ムル君:そうなんだ。いかにケチって国民を困らせるか、というのが「歳出改革プロジェクト」。「少子化」を騒ぐ割に、子どものことを考えていない。07年度から5年間で、小中学校の教員を5万人減らす。私学助成金も国立大学への運営交付金も、前の年から1%減らす、つまり前の年の99%しか予算をつけない。だから5年間で、複利計算のようなものだから、0.99×0.99×0.99×0.99×0.99=0.95099……。2011年には今の予算のおよそ95%になってしまう。
とむ丸:文教科学費は、今年だって去年の8.9%減らされてるのよね。予算の総額は3.0%減。一般歳出は1.9%減の46兆3660億円。そのうち、「防衛費」にあたるのは、4兆8139億円。これは、前の年の4兆8564億円に比べると0.9%減っている。
ムル君:でも、それだけじゃあない。別枠がある。まず、内閣官房予算に含まれている、本来軍事予算に含まれるべき情報収集衛星(軍事偵察衛星)関連経費612億円。「国民保護」のためのシステム整備等を名目とした「危機管理体制充実強化経費」の16億円。さらに昨年、別枠計上された米軍再編調整関連費1000億円の1年平均分200億円。これに旧軍人恩給費9072億円を加えた数字、5兆8039億円が国際的な意味で使われる軍事費になる。政府予算案4兆8139億円と比べると何と1兆円も膨らむ。これが、実際の「防衛費」。
とむ丸:まだあったわ。米軍再編に伴う在沖縄海兵隊のグアム移転費用6760億円。なんでこんなことになっちゃうの?
ムル君:それがちっとも理解できない。でも首相は、ご褒美に米国卒業旅行で大歓待されてる。エアフォースワンでプレスリー邸に行ってるよ。派手なサングラスかけてたな。
とむ丸:北九州市じゃ、続けて何件も、餓死や孤独死が起こっているわ。
ムル君:生活保護も受けられずに、食べるものもなく、やせ衰えて亡くなっていったみたいだね。
とむ丸:うわあ、人間に生まれないで良かった。
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コメント
とむ丸さん,こんにちは。トラックバックの題名がなぜか「Unknown」になっていたので,もう一回トラックバックを下さい。m(__)m
# 昨日から夏風邪ぶりかえして,ぶったおれてます(泣)
投稿: kaetzchen | 2006年7月 1日 (土) 15時58分
大盤振る舞いするところには大盤振る舞いし、戦場の兵士の半分は飢え死にするという構図がよみがえっているのでしょうね。なんだかプレスリーの真似(阿波踊りにしか見えない踊り)をしているおじさんの姿を見ると悲しくなってしまいますね。3兆円払って踊らせてもらってるのか、ってね。
そうそう、意味もなく殴るということの意味ですが、それについて書いたものをトラックバックしますね。
投稿: luxemburg | 2006年7月 1日 (土) 18時37分
「かまうもんか、民(たみ)は兵糧攻めにしろ、」
じゃなくって,「朕はたらふく喰ってるぞ,汝臣民飢えて死ね,御名御爾」じゃないの(笑)
投稿: kaetzchen | 2006年7月 1日 (土) 20時25分
こんばんわ。
luxemburgさん、さっそく読ませていただきました。意味なく殴るだけではなくて、さらに条件反射の利用ですね。
それと、訪米中の首相、本当にはずかしいを通り越して、悲しくなりますね。
kaetzchenさん、わざわざありがとうございます。タイトルを忘れていました。
朕はたらふく喰ってるぞ,汝臣民飢えて死ね,御名御爾、というのがありましたね。まあ、今回は、オリジナルでいきまーす。
投稿: とむ丸 | 2006年7月 1日 (土) 21時47分
上記の防衛費合計5兆8039億円には、自衛隊員の給与や海外派遣手当てとかは含まれているのでしょうか?
自衛隊員は特別(特殊?)国家公務員と呼ばれていたような気もしますが給料はどこから出ているのでしょう?
それと、公務員削減を自公は主張してますが、自衛隊員は減るのでしょうか?
もうひとつ、各種審議委員会の委員をしている国立大学(今は独法?)の教授の年収が2500万円とか聞きますが、本当でしょうか?
本当なら、貰い過ぎと思いませんか? そんなにもらえるほど、皆の役に立っているとは、私には思えません。初めてなのにこんなに質問攻めにしてごめんなさい。
投稿: コギトエルゴスム | 2006年7月 2日 (日) 01時10分
何だ、この写真は! オイラはもっとイケメンだぞ~!(byムル)
それはそれとして(汗)、ムルを使っていただいてとても感謝です。何か、東京にいるときより賢くなってるような……。(とむ丸ちゃんのお婿さんにしてもらったほうがいいかも……)
投稿: 華氏451度 | 2006年7月 2日 (日) 02時02分
はじめまして、コギトエルゴスムさん
私も防衛関係を調べたのは初めてなので、全然詳しくありませんが、分かる範囲でお答え致します。
まず、「特別職公務員」とは「公務員法」の適用を受けない公務員のことで、自衛隊員に関しては「自衛隊法」が適用されます。
これらのことは、小学館ニッポニカによると以下のように説明されています。
自衛隊法とは、「自衛隊の「任務、部隊の組織・編成、行動・権限、隊員の身分取扱等」を定めた法律。防衛庁設置法とあわせ「防衛二法」と称せられることが多い」。
自衛隊員とは、いわゆる制服組の自衛官だけでなく「防衛庁の職員で、長官、防衛政務次官などを除いたものをいい、自衛官だけでなく文官をも含む」。
また、自衛隊員の給料は「人件・糧食費」と分類されていて、もちろん、上記の5兆8039億円の中に含まれるわけですが、それ以前に防衛関係費として計上された4兆8139億円の中に含まれています(ちなみに防衛庁の要求段階では、その割合は、実に44%にのぼっています)。
2003年8月1日付の「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」には、
第十四条 我が国以外の領域(公海を含む。)において対応措置に従事する者には、対応措置が行われる地域の勤務環境及び対応措置の特質にかんがみ、イラク人道復興支援等手当を支給することができる。
2 前項のイラク人道復興支援等手当に関し必要な事項は、政令で定める。
3 内閣総理大臣は、前項の政令の制定又は改廃に際しては、人事院の意見を聴かなければならない。
とされています。
確か、これについての説明は、自衛隊員以外にも、時として民間からも任用されてイラク復興支援に参加するので、政令自体は政府全体で、つまり内閣官房で決めている、という答弁が平成16年にされていたと思います。
それを考えると、イラク派遣手当は、防衛予算とは別枠の可能性が高いですね。
自衛隊員数の削減についてですが、
あの片山さつきさんが書かれた平成17年度の防衛関係予算についての説明では、退職者数から人件費が自然減してこれが平成20年度まで継続する、ということですから、当然人員数も自然減ということだと思います。
また平成18年度以降の人員数については、「民間委託等の手法を用いて行政機関に準じた純減」をするとしています。「民間委託」が問題ですね。
独立法人化した国立大学については、ニュース画面で使われていた「国立大学」の語をそのまま使いました。
審議会委員の報酬については、地方公共団体より国レベルの方が高いのか安いのか、委員会に出席するたびに報酬を受け取るのかどうなのか、全く知りません。
高い報酬でも、それに見合った仕事を国民のためにしてくれたら良いのですが、どうもそうではないことがちらほら漏れ聞こえてきますから、私たちはなかなか納得できないですよね。
投稿: とむ丸 | 2006年7月 2日 (日) 11時57分
こんにちわ、華氏さん
どうもムル君らしからぬムル君で、もうしわけありません。読み返してみると、すごく恥ずかしい。ああ、やっぱり他人のまねは無理だ、と痛感しました。
それで、ムル君婿入り案ですが、そうなると、当然とむ丸とムル君は我が家からは独立するわけで、ここで大きな問題が出てきます。
つまり、このブログの書き手、とむ丸はどうなってしまうのか、ということ。語り手、書き手がいなくなって、このブログがどうなってしまうのか、ということ。ムル君ととむ丸が別ブログを立てますか?
でも、それも面倒くさいなあ。
とむ丸が1人と一匹いて、混乱してしまいますが、さてさて?
投稿: とむ丸 | 2006年7月 2日 (日) 12時03分
>コギトエルゴスム さん,こんにちは。
「各種審議委員会の委員をしている国立大学(今は独法?)の教授の年収が2500万円とか」って,どこで拾ってきたデマでしょうか(笑) 恐らく,一般の上級職国家公務員よりも少ないはずです。防衛費と同じで,それに「科研費」という国から降りてくる研究費を入れれば年間にそのくらい使っている人はいるでしょうけれど,大ていは助教授や講師や助手や技官やオーバードクターの学生たちとチームを組んでいますから,よほどお金のかかる理科系の研究チームでない限り,そんな額にはならないはずです(教授が一括して科研費を申請するため)。
投稿: kaetzchen | 2006年7月 2日 (日) 12時59分
ちなみに私の友人が某国公立大学で教授をしてるのですけど(時々彼の手伝いでアルバイトをすることもある),何度か彼の給与明細を見せてもらったことがあります。
すると,面白いことに,地方自治体の審議委員会なんかのバイトをすると,結構な額が振り込まれてたりするんですよね。これってつまり,御用学者にならないと飯が食えないって意味なのかなと言うと,恐らくそういう脅しだと思うよと,彼は笑っていました。もちろん,彼は審議委員会では徹底的に持論を述べて,権力側と反対の証明ばかりするので嫌われているみたいですけど(笑)
投稿: kaetzchen | 2006年7月 2日 (日) 13時05分
kaetzchenさん、代わってお答えいただき、ありがとうございました。
自治体によって違うと思いますが、諮問委員会の会議に出席するときの謝礼って、結構な額ですよね。それも面白いと思ったのは、募集は自治体が行っても、その担当部所から直接出るのではなくて、プロジェクトを委託された団体等から支出されたりするんですよね。
そのあたりの会計処理というのは、素人には複雑すぎてわけ分かりません。
投稿: とむ丸 | 2006年7月 2日 (日) 13時44分
とむ丸さん、スレ違いでごめんなさい。
ついにワールドカップも「天皇制やたガラス・日本」もかつてナチスに追従した「民族浄化」のクロアチア等弱小ファシストも早々に姿を消し、最強の残存ファシスト、ドイツとイタリア対人民戦線派のフランス、ポルトガルの戦いになりました。ここはなんとしてもフランスに勝利してもらいたい。
ところでkaetzchenさん、ファシズム定義はどうなりましたか。
僕の定義は先にも示したとおり、資本主義国家の帝国主義的段階が不可避的に対外侵略に向かわざるを得ず、しかしそれがワーキング・クラスの自覚を促し、必然的に帝国主義国家に敵対することを阻止するために、極端な共産主義憎悪と、民族意識こそが現国家の存続を担保できるとして、特に近隣諸国に対しての排外主義を煽る運動だとしましたが、ご意見は如何でせう。
投稿: 弥助 | 2006年7月 2日 (日) 15時50分
>弥助さん
あんたもひまねぇ(笑) ちょっとだけよ。(^^;)
「資本主義国家の帝国主義的段階が不可避的に対外侵略に向かわざるを得ず、しかしそれがワーキング・クラスの自覚を促し、必然的に帝国主義国家に敵対することを阻止するために、極端な共産主義憎悪と、民族意識こそが現国家の存続を担保できるとして、特に近隣諸国に対しての排外主義を煽る運動」
なんだか清水幾太郎みたいに,接続詞だけで繋いだ感じの悪文だなぁ(彼の岩波新書『論文の書き方』は最悪)。もうちょっと短くしてもええんでないかい。
例えば「極端な民主主義の憎悪と架空の民族意識だけが国家の存続を担える,と仮定し,近隣諸国に対して徹底的な排外主義を煽る運動」で充分だと思うんだけど。
# どっかの過激派のアジビラ読んでるみたいで,ある程度知識がない人にはさっぱりお手上げだと思うよ。
投稿: kaetzchen | 2006年7月 2日 (日) 20時38分
ははは、どちらが判りやすいかは皆さんの評価に委ねるとして、同じ思想の持ち主として賛同されたのですね。
ところがkaetzchenさん、むしろ僕の興味は前段にあるのですがね。
まさかドイツではないでしょうね。ここはフランスですよフランス!!
投稿: 弥助 | 2006年7月 2日 (日) 21時07分
>弥助さん
決勝はドイツ対フランスになるんじゃないかなぁ。んで,また双方のフーリガンじゃない「サポーター」が大暴れして武装警察が大活躍するという(笑) ドイツは開催国だけど,故障選手が多いので試合では不利かもね。
トルシエも言ってたけど,日本は自分が世界のトップにいると勘違いしていると思います。できるサッカーと,やろうとしてるサッカーの違いが大きすぎる。だからオシム氏も日本をW杯で決勝トーナメントに入れてくれというのなら監督を断るとはっきり言ってますね。ヨーロッパの厳しい死闘をくぐり抜けてきた彼らだからこそ,海外組をもっと若手に欲しいというのが本音じゃないかな。
……と,無理矢理サッカーの話題にしてしまいました。(^^;)
投稿: kaetzchen | 2006年7月 3日 (月) 13時42分
TBありがとうございました。
何度かこちらからTBを試みたのですが、失敗に終わってしまったようです。
なぜか、ココログにはfc2からTBしにくいですね。
投稿: 美爾依 | 2006年7月 9日 (日) 16時51分