ロンドンのメイドスタイル
深紅の薔薇はブルグント88。ビロードのような花弁です。(葉っぱに病気が出始めています。やっぱり消毒しないといけないのかなあ)
さてさて、10数年前の話になりますが、はじめてのロンドン旅行でびっくりしたのは、やはり人種間格差を見せつけられたときです。
ハロッズ近くの繁華街に店を構える有名喫茶店での経験ですが、この喫茶店は、なんでも革命のフランスを逃れて来た人が始めたという、二都物語を地でいくようなお店です。
満員の店内を動き回ってサービスしているのは、ブルー(だったと思う)のストライプのワンピースに白のエプロンをつけた、まさにメイドスタイルのアジア系と思しき女性たち。我が家の隣のお嬢さん、おばさんたちと変わらぬ顔立ちに、つい日本語でオーダーしそうになってしまいました。
(南方アジア系の人たちは、けっこうみなさん、実年齢より若く見える人が多いですよね。それなのに、ウェイトレスをしていることから年配者ではないと思うのですが、ちょっとくたびれたような表情でふけてみえて、おばさんのイメージでした)
無愛想なのか疲れているのか、にこっともしない浅黒い丸顔の、あまり自信のなさそうな表情に、ちょっととまどったことを覚えています。
その「メイドさん」タイプの女性たちを指揮・監督するのが、すらっとして金髪の、アングロサクソン系の若い女性。白のブラウス、黒のタイトスカート、赤のベスト、といったいでたちです。きびきびした表情と態度で、フロアーの隅々まで目を光らせています。
そして店内を統括しているのが、黒いスーツの、やはりアングロサクソン系のスマートな男性。
この3者は、服装が違うだけではありません。目の動きをはじめとした表情から態度、歩き方まで、まるで違うのです。
要求されている仕事の中味によって、これだけ人間の外見にも差が出るのか、と愕然とした1日でした。
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コメント
ちなみに,日本の変態男の専門用語によると,あのメイドスタイルの服は「ゴシック・ロリータ」なんだそうです。
んで,「ゴスロリ」(短縮形らしい)の格好で給仕してくれるネットカフェが最先端の流行で,そこで色々なサービスをしてもらうのが変態の夢なんだとか。(^^;)
人種も身分も越えて,メイド服というのはその可愛らしさの裏に,淫猥な欲望を秘めているという訳なんでしょうね。筒井康隆が自ら出演するテレビドラマにもそんなのがあったような(笑)
投稿: kaetzchen | 2006年6月 7日 (水) 15時47分
それが、可愛らしい、なんてものではありませんでした。日本のゴスロリ調の、過剰装飾とは似ても似つかぬ、世界の現実を映す鏡のようなものですから。
もっとも、相手も同じアジア系のこちらの顔立ちを見て、ちょっととまどって、よけいに無愛想になったのかもしれません。
投稿: とむ丸 | 2006年6月 8日 (木) 09時22分