憲法改正(改悪だ)プロジェクトチーム「論点整理」について
昨晩プールへ行くと、数ヶ月ぶりに泳ぎに来ていた人がいました。何でも、お母さんが脳血栓で倒れてその看護に忙しかった、退院をせまられていてどうしようか、という話でした。
女3人、水に浸かりながら色々話していると、私だけでなく他の2人も、コイズミさんの政治はおかしい。今に病院にかかるのも思うようにいかなくなるらしい、などなど、不満たらたらです。
民主党支持のひとりは、自民党にも杉村太蔵なんていう変な男がいるのに、永田議員を責め立ててばかり。だいたい、タイゾーの婚約会見なんかテレビで取り上げる必要ない! とカンカン。
自民党も、舐めてはいけません。B層主婦でも、憤りは尋常ではありません。主婦の怒りは生活に直結しているだけに強いですよ。
さて、これまで自民憲法草案を見てきましたが、この草案よりも、「憲法改正プロジェクトチーム『論点整理(案)』」(以下「論点整理」)方が、憲法を変えようとする狙いがさらによくわかります。
「新時代にふさわしい新たな憲法を求める国民的気運は、かつてない高まりをみせている」で始まる「論点整理」は、総論として「新憲法が目指すべき国家像」、「21世紀にふさわしい憲法のあり方に関して」、「我が国の憲法として守るべき価値に関して」の3つの柱を立てています。
大体、「新たな憲法を求める国民的気運の高まり」は自らが仕掛け、さらに声高に主張することで、ますますその気運を高めようとしているわけですよね。単純な言葉でスローガンを叫ぶのは郵政選挙の時と同じです。
その総論の3つの柱についてですが、
新憲法が目指すべき国家像とは、「国民誰もが自ら誇りにし、国際社会から尊敬される「品格ある国家」で、「国と国民の関係をはっきりさせ」、そこから「国民の中に自然と「愛国心」が芽生えてくるもの」である。
21世紀にふさわしい憲法のあり方とは、「家族や共同体が、「公共」の基本をなすものとして、新憲法において重要な位置を占めなければならない」
「現憲法の制定時に占領政策を優先した結果置き去りにされた歴史、伝統、文化に根ざしたわが国固有の価値(すなわち「国柄」)や、日本人が元来有してきた道徳心など健全な常識に基づいたもの」こそ、我が国の憲法として守るべき価値である、と説明しています。
キーワードは、「品格ある国家」、「愛国心」、「公共」、「国柄」等々でしょうか。いかにも立派な言葉で飾っていますが、衣の下の鎧は隠せません。
ことに総論に続く各論で、前文について、「利己主義を排し、『社会連帯、共助』の観点を盛り込」み、「国を守り、育て、次世代に受け継ぐ、という意味での『継続性』を盛り込むべき」である、とまで表現しています。
特に若い人たちは、騙されてはいけません。
私たちの国も、つい60年前まで、表向きはこの「論点整理」で主張されているような国だったのです。でも、その品格のある、愛国心に富み、国柄と伝統を尊び、公共をすべてに優先した国の実態は、敗戦後、つぎつぎに明らかにされてきました。いえ、敗戦を待たずとも、庶民のレベルでもみなうすうす感じていたことでした。
声高にこの主張をする人たちは、自らが戦場に行くことはしません。
嫌なことを愛国心や公共の名の下で押しつけられるのは、市井に暮らす私たち一人ひとりです。
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