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司法への介入? ――自民憲法草案3

昨日の「軍事裁判所設置」に次いで、自民党新憲法草案の第6章司法シリーズの2回目です。


自民党草案の第79条では、最高裁判所の裁判官について規定しています。問題は、その第5項


「最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、やむを得ない事由により法律をもって行う場合であって、裁判官の職権行使の独立を害するおそれがないときを除き、減額することができない。」です。


 この点について、現行憲法では、


最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」


 とあるだけです。


 さらにこの規定は、下級裁判所の裁判官にもあてはまります。つまり、つぎの第80条第2項で


「前条第五項の規定は、下級裁判所の裁判官の報酬について準用する」と明言されているのです。


 なぜ、わざわざ、「やむを得ない事由により法律をもって行う場合であって、裁判官の職権行使の独立を害するおそれがないときを除き」という文言を挿入する必要があったのでしょうか。 


 逆をいえば「やむを得ない事由」を法律に明記し、「裁判官の職権行使の独立を害するおそれがない」ことをいえば、裁判官の報酬を減額できる、ということでしょう。時の政権の意に沿わない判決を下す裁判官を、これによって経済的に締め付けること、いうなれば兵糧攻めにすることが可能になります。


 裁判所は違憲立法審査権を持っています。ことにその最終的な判断は、最高裁判所が持っています。そうした判断に、行政権を握る内閣の意向を反映したい、とでも考えたのでしょうか。


 為政者というものは、行政権のみならず、他のふたつの権力、立法権、司法権を思うままにしたい、という誘惑に駆られやすいのでしょうね。「絶対権力は絶対的に腐敗する」――これを防ぐにはモンテスキュー(上の写真)のいうとおり、「三権分立」を確かなものにする必要があると思うのですが。

 

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